安くておいしいものはたくさんありますが、「これは」という感動の食べ物はそんなに多くはありません。珠玉の逸品に知り合えたときは、お腹も気持ちも幸せになります。シニアのmokuが食べ歩いて出会った「この逸品」をメモにします。
のんべーですが、お金がないから、B級グルメが多くなります。ますは東京・月島の岸田屋さんの「牛煮込み」です。月島といっても、もんじゃ焼きではありません。
くせがなくバランスのいい煮込み
鶏ではなく、牛の煮込みです。500円です。この写真では、かなりこってりしているような見栄えですが、そうではありません。牛特有の臭みもなく、あくもありません。どのようにあく抜きをしているのだろうか。
各部位のバランスがよく、口に入れるととろけます。かんでも、飲み込めない部位はありません。そこまでじっくり煮込んでいます。しょうゆベースの味付けも絶妙で、一人前ではちょっと多いかなと思ってもぺろりといけます。つい「おかわり」と言ってしまいそうです。
注文すると「ネギは入れますか」と必ず聞かれます。もし、ネギが苦手でなかったら、ネギをたれにひたして、牛モツをくるんで食べてください。昇天しますよ(笑)
長時間待ちは覚悟の岸田屋
岸田屋さんは、地下鉄有楽町線の月島駅と勝どき駅のほぼ中間にあります。グルメサイトの評価もきわめて高い、いわゆる行列のできる店です。だいたい並びます。mokuは20年ほど前におじゃまし、それ以来は転勤などがあって、久しぶりにのれんをくぐりましたが、その味は健在でした。
そもそもが、岸田屋さんは居酒屋ではありません。雰囲気からいっても昭和の酒場です。のれんにも「大衆酒場」と書いてあります。「居」の文字はありません。
岸田屋さんの木戸をガラリと開けると、店内はカウンターがコの字型になっています。そこに、客がひしめいています。お品書きの木の短冊が壁にかかり、大相撲の古い番付表なども壁に貼ったままです。店の歴史を感じます。ここでは紹介しませんが、何を食べてもはずれはありません。すべておいしくて、驚くでしょう。また、一品一品がていねいです。
いつも、注文するのは煮込みに加えて、「肉豆腐」「鮭のおにぎり」です。瓶ビール大瓶1本とともに、さくっと30分ぐらいで食べてお腹いっぱい。いつも2000円弱です。ちなみに「肉豆腐」は食べきれないので半分を注文します。しめに「おにぎり(鮭や明太子など)」を注文してみてください。300円です。食べてからのお楽しみですが、感動ものです。
午後8時すぎが狙い目か
現在は日曜日と月曜日が休みのようです。行列のできる店ですが、5時に開店してから1~2回転する午後8時すぎが狙い目です。9時まで入店でき、そこでのれんを下ろします。のれんは重いので、居合わせたら手伝ってやってください。閉店は10時ぐらいです。
また、牛煮込みが売り切れると、並んでいるお客さんに教えてくれるようです。それを目当てに来店する方も多いので、お店の気遣いはありがたいですね。いかにも下町という、ややお年を召した女将さんがいて、客を笑顔で気遣ってくれます。
1時間程度で岸田屋を出る
誤解を恐れずにいえば、こういう人気の小酒場は3人以上で行ってはいけません。1人か2人で行って、さくっと食べて飲んで、帰りましょう。3人以上で来店し、かなり長居をする客もいるようですが、そういうお店ではないと思います。待っている客もいます。
mokuは必ず一人で来店し、だいたい30~40分で出てきます。余計なお世話かもしれませんが、それが自分の酒場使いの流儀です。強要する気はありません。
ただ、3人以上で居酒屋に行くと、2~3時間は飲みますが。
岸田屋さんの所在地などは以下を参照ください。