地下鉄有楽町線や都営大江戸線の門前仲町から3分も歩きません。ちょっと路地に入ると、「懐かしい」と思わずつぶやいてしまう、昭和風情のレトロな飲み屋街があります。「辰巳新道」です。昔の新宿・歌舞伎町のゴールデン街を切り取った感じ、といったら想像できるでしょうか。
その一角と言いましょうか、そのはずれに「ニューもつよし」があります。ここの煮込みがかなりいい。「また、煮込みかい」と突っ込まれそうですが、のんべいシニアの定番のソウルフードなので、かんべんしてほしい。
スタンダードな煮込み
スタンダードな鳥もつの煮込みです。400円也。店に入ったら、まずはこれを食べておけばいい。そんなオーソドックスな煮込みです。注文すると、ご主人がぐつぐつ煮立っている大鍋からまず豆腐を半丁ほど器に盛り、その上に煮込みを隠れるぐらいにどっさりとかけ、最後にネギを盛ります。
まず、豆腐ともつのバランスのがいい。もつはよく煮込まれ柔らかい。そして、味噌仕立ての定番の味に安心します。何のてらいもありません。食べると分かりますが、ほっとします。
毎日食べても飽きない。近所の人や、帰宅途中の会社員がおかずや酒のつまみとして、買って行くのも納得できます。そして、日によって、ややさっぱりだったり、ややこってりだったりします。定番のメニューとは言え、そんなアナログなブレもまたいい。
立ち飲み屋である
ちなみに、ここは立ち飲み屋で、10人も入ればいっぱいです。ご主人が一人で切り盛りしています。休みは日曜日だけで、土曜日、祝日も営業しています。たしか、4月末~5月初めの改元連休でも、こよみ通りには休んでいませんでした。
立ち飲み屋だけあって、客の回転は速い。さくっと食べて、さくっと出る。mokuも30分以上いたことがありません。
注文は券売機
ここでは、口頭での注文ではなく、券売機で食券を買います。追加で注文したかったら、券売機で食券を再び買います。だいたい客は、席と券売機を3回ぐらい行ったり来たりします。テーブルの上に100円玉を積んでいる客もいます。
もちろん、メニューは煮込みだけではありません。壁にかかるホワイトボードには、「本日のおすすめ」が書かれています。そこには、300円、350円、400円--と値段ごとにメニューが並んでいます。
その値段の食券を買って、注文します。たとえば、マカロニ・ポテトサラダのコンビは300円です。写真の左がマカロニサラダ、右がポテトサラダです。かなりのボリュームです。シニア世代であれば、煮込みとこれを食べると、ほぼお腹いっぱいになります。
すべて食べたわけではありませんが、はずれがまったくないし、一品一品にボリュームがあります。お酒については、ハイボール・酎ハイ系でも、ホッピーでも、アルコール分やゆ高め(濃いめ)に作ってくれるのがうれしい。
もつ焼きが定番
客のほとんどが煮込みを注文しますが、タン、ハツ、レバー、つくね、ねぎま--など焼き物が定番の店です。タレ、塩を指定でき。1本120円の2本から注文できます。もちろん、2本、3本、4本などの食券を買います。
こぎれいな店でありませんが、常連客が多く店です。ただ、初めての客が入りにくい店ではありません。はちまきの巻いたご主人は江戸っ子タイプで、フレンドリーです。その人柄にほれこんで、通っている客が多いのかもしれません。女性の「おひとりさま」をよく見かけるのも、そんなご主人だからこそ、なのかもしれません。
所在地などは以下のサイトでお確かめください。