感染症拡大による事業活動へのダメージを軽減させるため、行政はさまざまな支援金・給付金を用意しています。
その代表的なものが、持続化給付金、月次支援金、事業復活支援金です。
この3つの申請方法は共通点が多く、いずれもオンラインで申請します。
持続化給付金では、個人事業やフリーランスは最大100万円、中小企業は最大200万円が支給されました。ただ、持続化給付金は不正受給が相次いだため、その後の支援金の給付手続きはやや手間がかかりますが、毎年確定申告をしている事業者にとってハードルは高くありません。
いずれの申請でも、売上が分かる確定申告書(一部)をアップする必要があります。その際、確定申告をe-Tax(国税庁のオンライン申告)でしている方は「受信通知」が必要になります。
受信通知はほかのオンライン申請でも必要に
「受信通知って何?」
mokuも悩みました。ここでは、mokuのようなシニア世代でも、分かるよう受信通知の出し方をていねいに解説します。
持続化給付金の申請が終わっても、e-Taxの「受信通知」はこれからも給付金や支援金、補助金のオンライン申請で必要になります。
なお、ここでは、65万円控除で青色申告した個人事業主を対象に説明します。ある程度の売上のある方はほとんどがこれではないでしょうか。
節税以外にもメリットが大きいからです。
青色申告の65万円控除ってなあに? そんな方は、確定申告をe-Tax(国税庁のオンライン申告)でしている方はいないと思われますので、このページを見ても意味がありません。ご注意ください。
確定申告書類は3枚が必要
持続化給付金の申請に必要な申告書類はこの2つでした(青色申告65万円控除の場合)。
- 確定申告書第一表(1枚)
- 所得税青色申告決算書(2枚)

確定申告書第一表。事業所得をチェック
事業・営業等が記入されている申告書が給付の対象です。雑(その他)は当初対象ではありませんでしたが、途中で一部救済されました。ミュージシャンなど継続的に仕事をし、それが主たる収入源でありながら、雑所得として申告していた方が対象に加わりました。
アップする所得税青色申告決算書は次の2枚です。
3枚目以降は不要です。審査の対象は2枚目左上の月別の売上です。持続化給付金は昨年と今年の月別の売上を比べるからです。前年より50%以上売上が少ない事業主が給付の対象となります。
つまり、前年のこれがないと今年との比較をしようがありません。
確定申告をしていない方は給付金の対象ではありません。
こればっかりはどうしようもありません。

青色申告決算書の1枚目

青色申告決算書の2枚目
確定申告書を税務署に提出した方(郵送を含む)はこの2枚の「控」えをスキャンしてアップすればいいわけです。スマホで写真を撮ってもかまいません。ただし、控えには収受日付印(税務署の受付ハンコ)が押されている必要があります。
e-Taxの確定申告書の追加で必要になるのが「受信通知」
一方、マイナンバーカードを使ったe-Tax申請です。上記の申告書類とともに、追加でアップする書類があります。
それが、受信通知です。
受信通知の説明はマニュアルにはこうあります。
e-Taxで確定申告した際、「たしかにあったな」、という記憶がありますが、どこにあるかわからない方がいるかもしれません。mokuもそうでした。
受信通知を入手する三つの方法
ログインから入手する方法
通知書にたどりつくまで、複数の方法があります。ざっと三つの方法を見つけました。
まずは、e-Taxのメインサイト(HP)の右上のログインから入る方法です。
前年とはリニューアルされました。使いやすいかどうかは分かりません。
ページ右上のログインをクリックしましょう。
下にスクロールすると次のような画面になりますので、「受付システムのログイン画面へ」をクリックしましょう。
右側の「e-Taxのログイン画面へ」からも通知書を入手できますが、ここでは割愛します。
各ソフト・コーナーから入手する方法
別の方法もあります。トップページから「各ソフト・コーナー」というボタンがありますのでクリックしてみてください。
次のようなページになりますので、「メッセージボックス等を確認する」の「受付システム」をクリックします。
確定申告書の作成コーナーから入手
e-Taxのメーンポータルからではなく、国税庁の確定申告書等作成コーナーからも入手できます。
このように「ログイン」経由、「各ソフト・コーナー」経由、「確定申告書等の作成コーナー」のどれでもかまいません。
ためしに全部やってみてもいいかもしれません。
ただ、突っかかりがちなのが、利用時間と対応ブラウザー(サイトを表示するソフト)です。
mokuはかなり、イライラしました。
こんな警告はおなじみ あきらめて対処
下記のような画面が出てしまったら、システムは休止中です。たびたび休止します。稼働している日時を見計らって入りましょう。

時間外やメンテナンス中の画面
また、下のような画面が出たら、ここを参照にしてみてください。ブラウザごとに事前準備を促されます。
いかに、e-Taxのシステムが使いにくいかが分かると思います。
対応ブラウザーによって、対応に苦慮するかもしれません。
以下が現在(2021年1月現在)の国税庁の対応ブラウザーです。Chromeも使えるようになりました。
ただ、そのために事前準備が必要になります。たとえば、Chromeを使うなら、 ウェブストアに飛んで、拡張機能を追加しなければなりません。
マイナンバーカードを読み取り、受付システムへ
それでは続けます、このような画面が出たら、マイナンバーを読み取りましょう。
カードリーダーとマイナンバーカードを用意します。
ちなみに、「マイナンバーをお持ちの場合」の下に利用者識別番号の入力がありますが、それだと個人ベースで見られる国税庁からの通知に制限があります。
必ず、マイナンバーカードを入手してください。
ここまで来たら、終わったも同じです。
ICカードリーダーをパソコンにUSBでつなぎ、マイナンバーカードを挿入し、読み取ります。すると、マイナンバーカード取得時に設定した4桁の数字の入力を求められます。
マイナンバーを入手したときに設定した4桁の数字です。
受付システムのメインメニューです。メッセージボックス一覧の「確認画面へ」をクリックしてください。
メッセージボックス一覧が表示されます。
それらしいのが見つからなかったら、過去分表示をクリックしてみてください。
e-Taxで確定申告をして受理された人はそれらしい通知があるはずです。
ありましたね。ついクリックしましょう。
受信通知は添付書類としてアップ
ふう、これです。これが受信通知です。
これをイメージとして保存するには次の方法があります。
- 印刷してスマホで写真を撮り、自分あてメールに送る
- キャプチャー(スクショ)してパソコンに保存する
- プリンターでスキャンして、パソコンに保存する
そのうえで、持続化給付金の申請で、受信通知をアップするところはこのようになっていました。
使いにくいe-Taxシステム
いろいろ説明してきた感想としては、e-Taxのシステムは使いにくいというより、シニア世代は難しくてほとんど使えません。
「e-Taxかんたん」などと思わないほうがいいでしょう。使っているブラウザだけでも、右往左往します。
そもそも、100人いたら100人の税申告の個別事情は異なります。個人事業と法人の税体系も違います。個人申告でも、複雑に入り組んだ所得控除などがあります。そして、総合課税、分離課税、消費税も……。
まして、税制度は毎年変わります。それを一つのシステムで網羅しようというのだから、例外だらけで複雑にならざるをえません。どんどん使いずらくなっている気がします。国税庁が悪いわけではありません。
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