税金って難しいですね。会社員なら、会社が勝手に計算してくれます。あまり意識することがありません。でも、毎月の給与明細を見て、がく然としませんか。厚生年金やら、所得税やら、住民税やら……。バンバン引かれています。
年収が低いうちは、それほど意識はしませんが、30代~40代になり、額面の給料が増えれば増えるほど、さっ引かれる額が大きく増えます。手取りはあまり増えません。残念なことに、日本の税金は世界でも高いと言われています。そこで、備忘録をかねて、税金のことについて、おさらいをします。会社員だとあきらめがちな節税策も取り上げていきたいと思います。
mokuが理解していることをかみくだいて記します。税理士ではないのであくまで参考にしてください。まずは、基本です。収入と所得の違いです。この辺、ふだんはあまり区別しませんが、結構大事なことのような気がします。
収入-経費が所得
基本これですね。個人事業主と会社員とは分けて考えたほうがいいでしょう。
個人事業主(自営業)の場合
個人事業主とは、小さな飲食店、服屋さん、花屋さん、塾、物販などを営んでいる方のことです。フリーランスの方も多いかと思います。つまり、株式会社など法人化をしていない事業者さんですね。個人事業主になるには、税務署にペラ1枚の「開業届」を出すだけです。資格も資本金もいりません。会社員と個人事業主(副業)の兼業の方もたくさんいます。
事業ですので、モノやサービスを継続的に売っています。それが売れると、お客さんからお金がもらえます。そのお金のことを「売上」といいます。個人事業主の収入というのは、この売上に相当します。ただ、売上はもうけではありませんよ。モノやサービスが売れたとしても、仕入のお金や人件費などのコストがかかっているからです。そのコストのことが必要経費ですね。
たとえば、ミカンが100個1万円で売れました。それはすべてもうけではなく、そこには経費がかかっているのです。人件費とか、農薬とか、ミカンを運ぶための車のガソリン代とか--。転売屋が古本を1500円で売ったとしましょう。その本の仕入代が500円として、プラスして交通費、お客さんへの宅配費もかかっているかもしれません。1500円すべてがもうけではありません。なので、個人事業主の所得(事業所得といいます)はこうなります。
個人事業主の所得(事業所得)=売上-経費(仕入代、人件費もろもろ)
会社員(給与所得者)も同じように考えます。
会社員の収入と所得
会社員が会社からもらう給料のことを収入といいます。「額面額」とかよくいいますね。会社員やアルバイトの方だったら、源泉徴収票を見てください。左上のほうに支払金額という項目があります。それが会社員やアルバイトが1年間に得た収入です。
そして、その横には給与所得控除後の金額というのがあります。支払金額より、かなり引かれた額です。この「給与所得控除」というのがキーワードです。
会社員といえども、営業マンなら、しっかりした身なりをしなければならないし、将来の海外赴任に役立てようと自腹で英会話学校に通う方もいるでしょう。外国人を会社で接待するためにお茶を習いに行った。こうした、スーツや靴代、書籍、習い事、セミナーなどの自分への投資は、会社員にとっては、ほとんどが自腹でしょう。l「それって会社員の経費じゃん」。そうです。給与所得者の「経費」にあたるものが「給与所得控除」です。
そもそもが、個人事業主にとって必要経費になるものが、会社員だと認められない。それに代わるた控除と言っていいかもしれません。ちなみに、控除とは「その分だけ、税金がかからず、払わなくていい」という意味です。税金が安くなります。会社員やアルバイトの所得(給与所得といいます)はまとめると
会社員の所得(給与所得)=収入-給与所得控除(会社員の経費)
ちなみに、給与所得控除というのは収入に応じて、自動的に決まります。その計算方法は国税庁のページに載っています。こうです。

国税庁HPから
この右上を見ると年間65万円以下の収入の人は税金ゼロですね。ということは、年65万円ぴったりの収入なら給与所得控除は65万円です。
65万円(給与収入)-65万円(給与所得控除)=0(所得)
ということです。これとともに、実を言うと、だれでも、無条件に引かれる基礎控除というのが38万円あります。このため、収入103万円までは所得税を納めなくていいことになりますね。
108万円(収入)-65万円(給与所得控除)-38万円(基礎控除)=0(所得=課税所得)
ということで所得0です。これが税金がかかる、かからない境目の103万円の壁ですね。ちょっとややこしくなりますね。
まとめ
以上のことから、個人事業主であろうと、会社員であろうと、売上(収入)から経費(給与所得控除)を引いたものが所得になります。そこから、さらに所得控除が引かれて……という話に発展していきます。まずは収入と所得の関係をおさえておきましょう。
あまりに、収入と所得とごっちゃにする人多いので……。